結論
クール・ネット東京は、東京都の助成の受付から支払いまでを担う東京都環境公社の機関です。マンションのEV充電設備には令和8年度の「充電設備普及促進事業(居住者用)」などがあり、工事費の上限は1基目135万円・2基目以降68万円(機械式は171万円・86万円)などです。受付は令和9年3月31日17時までですが、予算に達した日に受付が止まります。
この記事の補助金の情報は2026年10月12日時点のものです。申請前に公式ページで最新の内容をご確認ください。
都内のマンションで「クール・ネット東京の補助金でEV充電器を付けられないか」と調べ始めたものの、居住者用と事業用のどちらで申請すればよいのか、いくらまで出るのかがわからず止まっていませんか。分譲マンションの理事会や管理会社の担当者は、住民への説明や総会資料の準備を控え、制度を正確につかんでおきたい場面が多いはずです。
この記事は、クール・ネット東京の助成のうちマンション(集合住宅)のEV充電設備に絞って整理します。太陽光・蓄電池など、ほかの助成はこの記事では扱いません。居住者用と事業用の分け方、工事費・電気料金の上限、令和9年3月31日までの受付と申請の流れを、公式の手引きをもとに解説します。
こんな方にオススメ
- ●都内の分譲マンションで、クール・ネット東京の補助金でEV充電器を付けたい理事・管理会社の担当者
- ●居住者用と事業用のどちらで申請すべきか迷っている方
- ●国の補助金と都の助成の関係、受付期限を正確に知りたい方
この記事を読むと…
- ●クール・ネット東京とは何か、マンションのEV充電に関係する3つの助成がわかる
- ●区画ごとに居住者用・事業用のどちらで申請するかの判断がつく
- ●工事費・購入費・電気料金の助成の上限と、申請の流れ・注意点がわかる
マンションのEV充電設備は、補助金を使うと自己負担を大きく抑えられることがあります。対象になるか、無料で相談できます。
クール・ネット東京とは
クール・ネット東京は、正式には公益財団法人東京都環境公社 東京都地球温暖化防止活動推進センターの愛称です。東京都の助成の申請受付から審査、支払いまでを担う機関です。
東京都の助成の窓口となる機関
クール・ネット東京は、東京都における地球温暖化対策を推進し、脱炭素社会の実現を目指す機関として、補助金の申請受付や審査を行っています。東京都のポータルでも「補助金の申請受付から支払いまでは、東京都の政策連携団体 東京都環境公社の『クール・ネット東京』が行います」と案内されています。
手引きに記載の問合せ先はTEL 03-5990-5159で、受付は月〜金の9時〜17時(12時〜13時、祝祭日・年末年始を除く)です。審査の途中経過や交付決定額の具体的な内容の問合せには応じないとされています。

「クール・ネット東京」って補助金の名前かと思っていました。

補助金そのものの名前ではなく、受付や審査を行う機関の愛称です。実際の事業名は「充電設備普及促進事業」などになります。
この記事はマンションのEV充電設備に絞る
クール・ネット東京は、EV充電設備のほかにも太陽光発電・蓄電池・断熱など幅広い助成を扱っています。指名検索で来た方の中には、別の助成を探している方もいるかと思います。
この記事ではマンションのEV充電設備の助成だけを扱います。
マンションへの導入全体の流れを知りたい方は、マンションにEV充電器を付けるにはもあわせてご覧ください。東京都の補助金の全体像は東京都のEV充電補助金のページにまとめています。
出典:東京都マンションEV充電器情報ポータル(2026年10月確認)
マンションのEV充電に関係する3つの助成
クール・ネット東京がマンション向けに扱うEV充電設備の助成は、大きく3つあります。設備の購入費・工事費を対象とする助成と、電気料金を対象とする助成に分かれます。
| 事業 | 何に出るか | 受付(令和8年度) |
|---|---|---|
| 充電設備普及促進事業(居住者用) | 充電設備の購入費・設置工事費・受変電設備など | 令和8年6月26日〜令和9年3月31日17時 |
| 充電設備普及促進事業(事業用) | 同上(住民以外も使うカーシェア区画など) | 令和8年6月26日〜令和9年3月31日17時 |
| マンション充電設備普及促進事業(電気料金の助成) | 新たに契約した電気の基本料金 | 令和8年6月26日〜令和9年3月31日 |
受付期限と「予算超過日に停止」
3つの事業とも、受付期限は令和9年3月31日(電気料金を含む)です。ただし、受付期限より前でも予算に達した日に受理が止まります。
助成は先着順に受理・審査されます。受理した申請の交付額の合計が予算を超えた日に受理が停止するため、「期限まで時間があるから大丈夫」とは言い切れません。導入を検討する場合は、早めに区分や上限を確認しておくことをおすすめします。
注意
受付中(2026年10月12日時点)であっても、予算に達した日に受付が止まります。公開情報の最新は公式の事業ページでご確認ください。
出典:充電設備普及促進事業(居住者用)|クール・ネット東京(2026年10月確認)
居住者用と事業用、どちらで申請する?
マンションでの申請は、区画の使われ方で「居住者用」か「事業用」かが決まります。分譲マンションが居住者用に該当するかは区画の使われ方によります。カーシェア区画などは事業用になる場合があります。

居住者用の要件
居住者用の要件は、充電設備を集合住宅の居住者が専ら使うことです。EVの所有や購入予定は要件ではありません。
建物の所有者が居住者である場合も対象です。特定の居住者に限定して使う運用も対象になります。
居住者以外が自由に使える運用はできません(所有者が許可した来客などは可)。
「住民にEVを持っている人がいないと申請できないのでは」と考える方もいますが、居住者用はEVの有無を問いません。住民から要望が出た段階で動き出すマンションもあります。住民から「EVを買いたい」と言われたらも参考になります。
区画ごとの申請種別
申請種別は区画単位で判断します。手引きには区画ごとの対応表が示されています。
| 区画 | 申請種別 |
|---|---|
| 居住者用駐車区画 | 居住者用 |
| 来客用駐車区画 | 居住者用 |
| 抽選区画(抽選対象に居住者が含まれる) | 居住者用 |
| 抽選区画(抽選対象に居住者が含まれない) | 事業用 |
| カーシェア区画(居住者専用) | 居住者用 |
| カーシェア区画(居住者以外の利用がある) | 事業用 |
外部に貸している区画でも、居住者の利用が優先される場合は居住者用です(契約書等で確認できること)。事業用の設備の近くに居住者用の区画があり、居住者用の区画でも充電できる場合は、居住者用で申請できる場合もあります。迷ったら事前に公社に相談するよう手引きに書かれています。
申請できる人
居住者用の助成対象者には、法人格のない管理組合や個人も含まれます。事業用は法人、個人事業主、法人格のある管理組合、法人格のない管理組合が対象です(国・地方公共団体は対象外)。
助成対象設備の所有権は原則として共有できませんが、集合住宅の管理組合は除かれます。居住者用か事業用か迷う方は、かんたん診断から状況を整理できます。

うちは法人格のない管理組合ですが、申請できますか?

はい、居住者用・事業用のどちらも法人格のない管理組合が対象者に含まれています。
出典:充電設備普及促進事業(居住者用)手引き(第4版)(2026年10月確認)
助成額の上限(令和8年度)
居住者用の助成は、工事費・購入費・電気料金・受変電設備などに上限が設けられています。上限は受け取れる額そのものではなく、実際の額は経費や国の補助額で決まります。
工事費の上限
普通充電設備・コンセントスタンド・V2Hの工事費は、1基目135万円、2基目以降1基あたり68万円が上限です。機械式駐車場では1基目171万円、2基目以降86万円になります。
通信機能付きの設備は、工事費の上限額にそれぞれ3万円が加算されます。充電用コンセントの工事費は1基目95万円、2基目以降48万円(機械式は171万円・86万円)です。
| 対象 | 上限(令和8年度) |
|---|---|
| 普通充電設備・コンセントスタンド・V2Hの工事費 | 1基目135万円/2基目以降68万円(機械式171万円・86万円、通信機能付き各3万円加算) |
| 充電用コンセントの工事費 | 1基目95万円/2基目以降48万円(機械式171万円・86万円) |
| 受変電設備 | 435万円まで |
| 機械式駐車場のパレット改修 | 1パレット140万円まで |
| 先行工事 | 1区画7万円(機械式30万円)×区画数と工事費の低いほう |
機械式駐車場への設置は追加工事が伴うことがあり、機械式駐車場への設置で詳しく扱っています。
購入費の上限
普通充電設備・コンセントスタンド・V2Hの購入費は、4つの額のうち最も低い額が上限になります。種類ごとに単純な定率ではない点に注意が必要です。
具体的には、購入価格(税抜)の1/2、充電インフラ補助金で定めた金額の2倍、購入価格から国の補助(購入費)を引いた額、国の補助金額(または国が定めた金額)の4つを比べ、最も低い額が助成額になります。この仕組みにより、国の補助を受ける場合は二重取りにならないよう調整されます。
電気料金の助成
電気料金の助成は、新たに契約した電気の基本料金だけが対象です。充電に使った電気の量に応じた電力量料金は対象外です。
1回の申請につき上限は、高圧受電契約334万円、高圧受電契約以外18万円です。対象は、令和7年4月1日以降に特別措置等で新規引込工事・電力契約を行い、令和7年4月1日以降に設置が完了した充電設備です。交付申請は最大3年間(36か月)までで、事業の実施期間は令和10年度(令和9年度実績の申請)までです。
対象にならない経費
すべての経費が助成対象になるわけではありません。申請手続代行費や総会・理事会への同席費などは対象外です。
ほかにも、一般管理費、共通仮設費、交通費・保険費等、写真管理費、助成金申請の代行手数料・コンサルタント料(図面作成費を除く)、振込手数料、事前申請で交付決定日前に発注・施工した経費は対象外です。また、充電設備の処分制限期間は5年です。
POINT
上限は「受け取れる額」ではありません。上限額と実際にかかった経費の低いほうから、国の補助(受ける場合)を差し引いた額が助成されます。「◯基なら合計◯万円」という単純な足し算にはなりません。
出典:充電設備普及促進事業(居住者用)手引き(第4版)2.4(2026年10月確認)
申請の流れと注意点
申請の流れは、国の補助金を受けるかどうかで分かれます。国の補助がある場合は事後申請、ない場合は事前申請が基本です。工事費は建物ごとに異なるため、正確な金額は見積もりで確認します。
3つの申請パターン
申請の流れには、国の補助の有無と時期で3つのパターンがあります。自分のマンションがどれに該当するかを最初に確認します。
国の補助金を受ける場合(A)は、国の交付申請・決定・工事・実績報告・額の確定を経て、都へ事後申請します。この事後申請は事業完了日の翌日から1年以内です。
国の補助を受けない場合(B)は、都に事前申請して交付決定を受けてから発注・工事・支払を行います。令和8年4月1日〜7月31日に発注または施工した事業(C)は、事後申請できる遡及対応があります。
詳細は公社に確認するのが確実です。国と都の併用の考え方は国と東京都の補助金の併用で詳しく解説しています。
交付決定前に発注しない
事前申請の場合、交付決定の前に発注・着工しないことが鉄則です。交付決定前に動くと対象外になります。
都の事前申請では、交付決定日の翌日から1年以内に完了・実績報告が必要です。国と都は同時に申請できず、国の額の確定のあとに都へ事後申請する順序も決まっています。
相談から運用開始までの全体像は相談から運用開始までの流れにまとめています。工事の計画は導入の見積もり相談から整理できます。
令和8年度から必須になった書類
令和8年度から、金融機関発行の証明書等をはじめとする書類の提出が必須になりました。現金による取引は対象外です。
必須となった書類には、金融機関発行の証明書等、関係部署・担当者の連絡先一覧、手続代行者による申請の場合の個人情報活用に関する同意書などがあります。「現金の受け渡し」による取引は対象外とされています。申請の代行を頼む場合は、手続代行者・施工業者を確認しておくと安心です。
国の補助金の状況
国(次世代自動車振興センター)の令和7年度補正の第1期・第2期は受付が終了し、次の募集は未発表です。公式の発表を待つ必要があります。
なお、新築集合住宅だけを対象とする国の年度またぎ事業は、既存マンションは対象外です。既存マンションで国の補助を検討する場合は、次の募集の発表を待つことになります。国の補助金の全体像はEV充電器の補助金の解説新築向けの扱いは新築マンションの年度またぎ補助金をご覧ください。
- 受付期限(令和9年3月31日17時)より前でも、予算に達した日に受理が止まる
- 上限は「受け取れる額」ではなく、経費や国の補助額で実際の額が決まる
- 事前申請の場合、交付決定前に発注・着工すると対象外になる
EV充電設備の導入を、無料で相談・比較
- 補助金の対象になるか確認できる
- 複数社の提案・見積もりを比べられる
- 理事会・総会向けの資料づくりも相談できる
入力は3分ほど。検討の初期段階でも大丈夫です。
出典:充電設備普及促進事業(居住者用)|クール・ネット東京(2026年10月確認)
よくある質問
クール・ネット東京の補助金について、マンションの理事会や管理会社から寄せられやすい質問をまとめました。
法人格のない管理組合でも申請できますか?
できます。居住者用・事業用のいずれも、助成対象者に法人格のない管理組合が含まれています。
EVを持っている住民がいなくても対象になりますか?
居住者用はEVの所有や購入予定を要件にしていません。住民から要望が出た段階で検討を始めるマンションもあります。充電設備を集合住宅の居住者が専ら使うことが要件です。
いつまでに申請すればよいですか?
受付期限は令和9年3月31日17時です。ただし、期限より前でも予算に達した日に受理が止まります。工事と支払いの期限(交付決定日の翌日から1年以内など)もあるため、早めの確認をおすすめします。
電気代も助成されますか?
新たに契約した電気の基本料金だけが対象です。充電に使った電気の量に応じた電力量料金は対象外です。1回の申請につき上限は高圧334万円・それ以外18万円で、最大3年間までです。
EV充電設備の導入を、無料で相談・比較
- 補助金の対象になるか確認できる
- 複数社の提案・見積もりを比べられる
- 理事会・総会向けの資料づくりも相談できる
入力は3分ほど。検討の初期段階でも大丈夫です。
まとめ
クール・ネット東京は、東京都のEV充電設備の助成の受付・審査・支払いを担う機関です。マンション向けには令和8年度の「充電設備普及促進事業(居住者用)」などがあり、工事費の上限は1基目135万円・2基目以降68万円(機械式は171万円・86万円)などとされています。
申請は区画の使われ方で居住者用・事業用に分かれ、区画ごとに判断します。受付は令和9年3月31日17時までですが、予算に達した日に受理が止まる点に注意が必要です。国の補助を受ける場合は国の額の確定後に都へ事後申請する順序も決まっています。
EV充電のこれから相談室では、マンションごとの区分の判断や上限の見立て、国と都のどちらを待つかといった相談を無料で承っています。どの区分で申請すればよいか迷う段階でも整理のお手伝いができますので、まずは状況をお聞かせください。導入全体の流れはマンションにEV充電器を付けるには費用の目安はEV充電器の設置費用もあわせてご覧ください。
出典:充電設備普及促進事業(居住者用)|クール・ネット東京(2026年10月確認)
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