EV充電の補助金は国と東京都で併用できる?申請の順番と期限、計算の考え方

結論

国(次世代自動車振興センター)と東京都(クール・ネット東京)のEV充電補助金は併用できますただし同時には申請できず、国の手続き(交付決定→工事→実績報告→額の確定)が終わってから、事業完了の翌日から1年以内に都へ申請します。

都の助成額は、上限と実際の工事費の低いほうから国の補助額を差し引いて決まります。国の令和7年度補正の募集は終了しているため、いまは「都だけで進めるか、国の次の募集を待つか」を日程で決めることになります。

この記事の補助金の情報は2026年10月12日時点のものです。申請前に公式ページで最新の内容をご確認ください。

この記事でわかること

  • ●国と東京都を併用するときの申請の順番
  • ●都の助成額の計算のしかた(国の補助額を差し引く)
  • ●国・都それぞれの期限
  • ●都だけで進める場合との違い

マンションにEV(電気自動車)充電器を入れたいが、補助金が国と都で別々にあって、どちらをどう使えばいいのか分からない。そんな悩みを抱える管理組合の理事や管理会社の担当者は少なくありません。国と都を両方使えると聞いたものの、手続きの順番や期限が整理できないと、せっかくの補助を取り逃す場合があります。

この記事では、国と東京都の補助金を併用するときの申請の順番都の助成額の計算のしかた、国・都それぞれの期限、そして国の募集がないいまの進め方までを、公式資料の記載に沿って整理します。自分のマンションがどの順番で動けばよいかを判断する材料として役立ちます。

こんな方にオススメ

  • ●国と都の補助金を両方使いたいが、順番が分からない管理組合の理事
  • ●都の助成額がいくらになるのか計算の考え方を知りたい担当者
  • ●国の募集がないいま、都だけで進めるか迷っている賃貸オーナー

この記事を読むと…

  • ●国が先・都があと、という併用の順番が理解できる
  • ●都の助成額が国の補助額を差し引いて決まる仕組みが分かる
  • ●国・都それぞれの期限と、いまの進め方の選択肢が整理できる

マンションのEV充電設備は、補助金を使うと自己負担を大きく抑えられることがあります。対象になるか、無料で相談できます。

国と東京都の補助金は併用できる(ただし同時申請は不可)

国と東京都の補助金は併用できますが、同時に申請することはできませんクール・ネット東京の交付要綱第7条1項では、国と同時に申請できないと定められています。国の交付額が確定した通知を受けたあとに、都へ申請する流れです。

補助金の全体像をまず知りたい方は、EV充電器の補助金の解説ページもあわせてご覧ください。

国と都はそれぞれ役割が違う

国と都は、補助する相手も申請の時期も異なります。国は設備費や工事費を直接補助し、都はその国の補助を受けたうえで、さらに上乗せする形で助成します。順番は国が先、都があとです。

たとえば国の補助で工事費の一部がまかなわれ、残った自己負担分に対して都の助成が働く、というイメージです。両者の役割を整理すると下表のとおりです。

制度実施機関申請の時期
国の補助金一般社団法人 次世代自動車振興センター先(交付申請→交付決定→工事→実績報告→額の確定)
都の助成金クール・ネット東京(公社の役割はこちら)あと(国の額の確定後に事後申請)

同時に出すと受け付けられない

国と都へ同時に申請書を出しても、受け付けてもらえません。都の交付要綱で、国の交付額確定の通知を受けたあとに申請すると定められているためです。急いで両方出せば早く進む、というものではない点に注意が必要です。

出典:次世代自動車振興センター 交付規程(2026年10月確認)

出典:クール・ネット東京 手引き(第4版)(2026年10月確認)

この記事の目次

併用するときの8ステップ

併用する場合は、国の手続きを先に終え、そのあとで都へ申請します。全体の流れは8つのステップに分かれ、国の額が確定するまで都へは進めません。マンションの場合、①の前に総会決議または理事会の合意が必要です。

国と東京都を併用するときの8ステップ。先に総会決議・理事会合意。国:1 交付申請、2 交付決定、管理組合:3 発注・工事、国:4 実績報告、5 額の確定、東京都:6 事後申請(完了の翌日から1年以内)、7 交付決定・額の確定、8 助成金の交付
国と東京都を併用するときの8ステップ
段階ステップ
国(先)①交付申請 → ②交付決定通知 → ③発注・工事 → ④実績報告 → ⑤補助金額確定通知
都(あと)⑥公社へ事後申請 → ⑦交付決定・額確定通知 → ⑧助成金の交付

都への申請は「事業完了の翌日から1年以内」

都への事後申請の期限は、事業完了の翌日から1年以内です。ここでいう事業完了日は、工事完了日と経費支払完了日の、遅いほうを指します。工事が終わっても支払いが済んでいなければ、支払い完了日が起点になります。

この1年の起点を取り違えると、期限の見込みがずれます。工事の完了と支払いの両方が済んだ日を確認したうえで、都の申請スケジュールを組むことが大切です。

国の実績報告には最終期限がある

国の実績報告には最終期限があり、過ぎると受け付けられません。普通充電の場合、第1期は令和8年11月30日13時、第2期は令和9年1月29日が期限です。この期限内に実績報告を終えないと、国の補助そのものが確定しません。

マンションでの国の補助金の使い方は、集合住宅のCEV補助金の解説でさらに詳しく確認できます。

出典:クール・ネット東京 手引き(第4版)(2026年10月確認)

出典:次世代自動車振興センター 手引き(2026年10月確認)

都の助成額は「国の補助額を差し引いて」決まる

都の助成額は、国の補助額を差し引いて決まります。上限額と実際の工事費を比べ、低いほうから国の補助金(工事費分)を引いた額が、都の助成額の基本的な考え方です。ここでは架空の金額は使わず、式の形で説明します。

工事費の計算の考え方

工事費の助成額は、上限と実際の工事費の低いほうから国等補助金(工事費)を差し引いて求めます。式で表すと「min(上限、実際の工事費)− 国等補助金(工事費)」です。

普通充電設備・コンセントスタンド・V2Hの工事費の上限は、1基目135万円、2基目以降1基あたり68万円を、設置する基数ぶん合計した額です(機械式駐車場は1基目171万円・2基目以降86万円。通信機能付きは各3万円を加算)。

充電用コンセントの工事費の上限は、1基目95万円、2基目以降48万円(機械式駐車場は171万円・86万円)で、同じように計算します。実際の工事費は助成対象経費の合計を指します。

購入費の計算の考え方

購入費の助成額は、4つの額のうち最も低いものが採用されます。複数の計算値を比べ、その最小値が助成額になる仕組みです。

  • ●①購入価格(税抜)の1/2
  • ●②充電インフラ補助金で定めている金額の2倍
  • ●③購入価格(税抜)から国補助金(購入費)を引いた額
  • ●④国補助金額(または充電インフラ補助金で定めている金額)

これら4つを算出し、最も低い額が都の助成額となります。都の助成の詳細は東京都の補助金のページもご参照ください。

出典:クール・ネット東京 手引き(第4版)2.4(2026年10月確認)

国の募集がないいま、どう進める?

国の令和7年度補正の第1期・第2期は受付が終了しています。次の募集は未発表です。そのため、いまは「都だけで進める」「国の次の募集を待つ」「4〜7月に先に着工していた場合の対応」という3つの選択肢を、マンションの日程に合わせて検討することになります。

都だけで進める

都の助成は事前申請です。交付決定のあとに発注・着工し、交付決定日の翌日から1年以内に工事完了と実績報告を行います。国の補助を待たずに動けるため、工事を早めたいマンションに向きます。

ただし国の上乗せがない分、自己負担は国と併用する場合より大きくなる可能性があります。都だけで進める場合の助成額や条件を確認してから判断するとよいでしょう。

国の次の募集を待つ

国の次の募集は未発表のため、いつ始まるかは分かりません。待つ間に動けることとして、合意形成を進めておく方法があります。分譲マンションでは総会決議または理事会の合意が要件になるためです。

募集が始まってから合意形成に入ると、申請に間に合わないおそれがあります。総会決議の進め方を参考に、いまのうちに準備しておくと、募集開始時に素早く動けます。

4〜7月に先に着工していた場合

国の補助金を使わずに、令和8年4月1日〜7月31日に発注または施工を始めた事業は、事業完了後に都へ事後申請できます(遡及対応)。令和9年3月31日までに工事と支払いをすべて終えて申請します。

手引きの記載には細かな食い違いもあるため、対象になるかどうかはクール・ネット東京(公社)に確認してから進めると安心です。

どちらで進めるか迷う方は、無料のオンライン診断で状況を整理するのも一つの方法です。複数社の見積もりを比べたい場合は見積もり依頼も活用できます。

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出典:次世代自動車振興センター(2026年10月確認)

補助でどこまでまかなえたかの例

参考:補助でどこまでまかなえたかの例
例・費用・補助条件出典
東京都ポータルの費用イメージ:税抜406万円(充電器9万円+工事費397万円)/都の助成347.5万円(約86%)/平置きに充電用コンセント9基都の補助のみ。2025年度の制度東京都ポータル(2026年10月確認)
川崎市の試算:普通充電器1基 140万円/国110万円+川崎市22.5万円→負担7.5万円国の補助を受けられた場合の川崎市の試算。消費税は対象外川崎市(2026年10月確認)
川崎市の試算:充電用コンセント5基 210万円/国157.5万円+川崎市39.3万円→負担13.2万円国の補助を受けられた場合の川崎市の試算。消費税は対象外川崎市(2026年10月確認)

併用で気をつけたい4つのこと

併用には、順番や期限のほかにも注意点があります。交付決定前の着工や、都の予算上限、対象外の経費、書類の保管の4点は、見落とすと補助を受けられなくなる場合があります。順に確認します。

交付決定の前に発注・着工しない

国・都とも、交付決定の前に発注や着工をすると補助の対象外になります。急いで工事を始めたくなっても、交付決定の通知を受けてから動くことが原則です。先に契約してしまうと、せっかくの申請が無効になりかねません。

都は予算に達した日に受付が止まる

都の助成は、予算に達した日で受付が止まります。受付期限は令和9年3月31日17時ですが、それより前でも予算上限に達すれば終了します。早めに出せば必ず通るわけではなく、受理された順に枠が埋まる点に注意が必要です。

都の対象外の経費がある

都の助成には、対象にならない経費があります。たとえば客先協議費(総会・理事会への同席など)、申請手続代行費、助成金申請の代行手数料やコンサルタント料(図面作成費を除く)などです。これらは助成対象経費に含められません。

⚠️ 都の助成で対象外になりやすい経費
  • 客先協議費(総会・理事会への同席など)
  • 申請手続代行費
  • 助成金申請の代行手数料・コンサルタント料(図面作成費を除く)

書類の保管を忘れない

都の通知書は申請者本人に郵送され、処分制限期間内は保管が必要です。充電設備の処分制限期間は5年です。この期間内は設備を勝手に処分できず、関係書類も保管しておく必要があります。

よくある質問

Q. 国と都に同時に出せば早く進みますか?
A. 同時には申請できません。都の交付要綱第7条1項により、国の交付額が確定したあとに都へ申請します。両方を同時に出しても受け付けられないため、国が先・都があとの順番で進めます。
Q. 併用すれば自己負担はゼロになりますか?
A. ゼロとは限りません。都の助成には上限があり、対象外の経費もあります。さらに国の補助額を差し引いて計算するため、工事費や設備費のすべてがまかなわれるわけではありません。
Q. 国の補助金の採択を受けたが、都の締切(令和9年3月31日)に間に合わない場合はどうなりますか?
A. 都の事後申請は「事業完了の翌日から1年以内(申請受付をしていない期間を除く)」です。年度をまたぐ場合の具体的な扱いは、クール・ネット東京(公社)に確認してください。
Q. 東京都以外でも国と併用できますか?
A. 自治体によります。国の補助額を差し引いて計算する自治体もあります。お住まいの自治体の補助金の制度を確認してください。

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まとめ

国と東京都の補助金は併用できますが、順番は国が先、都があとです。同時には申請できず、国の額が確定してから、事業完了の翌日から1年以内に都へ申請します。

都の助成額は、上限と実際の工事費の低いほうから国の補助額を差し引いて決まります。架空の金額ではなく、この計算の考え方を押さえておくことが大切です。

国の募集がないいまは、都だけで進めるか、国の次の募集を待つかを、自分のマンションの総会や工事の日程に合わせて判断することになります。順番・期限はマンションごとに変わるため、早めに全体像を整理しておくと動きやすくなります。設置までの流れは導入の流れでも確認できます。

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この記事を書いた人

集合住宅のEV充電設備について、国・自治体の公式資料にあたりながら、管理組合・管理会社の方が判断しやすい形で解説しています。補助金は年度ごとに変わるため、申請前に必ず公式の最新情報をご確認ください。

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