EV充電用コンセントと普通充電器の違い マンションに合うのはどっち?出力・使い方・補助の上限で比べる

結論

EV充電用コンセントは、車に付属(またはオプション)の充電ケーブルを差して使う200Vの差込口で、日本の規格では最大3.2kWです。普通充電器はケーブルとコネクターが付いた機器で、3〜6kWなどがあります。

平置きの場合、補助の工事費の上限は充電用コンセントのほうが低く、令和8年度の東京都では、コンセントが1基目95万円、普通充電器が1基目135万円です(どちらも上限)。国の補助では両方を同じ申請で併設できません。

使う人数と電気の容量で選び、両方の見積もりで比べるのが確実です。

この記事の補助金の情報は2026年10月13日時点のものです。申請前に公式ページで最新の内容をご確認ください。

この記事は、マンション(集合住宅)の共用駐車場に付けるEV充電設備の話です。戸建て住宅の充電設備は扱いません。

この記事でわかること

  • ●充電用コンセント・コンセントスタンド・普通充電器の違い
  • ●最大出力(3.2kWと3〜6kW)と使い勝手の違い
  • ●国と東京都の補助の上限・要件の違い(両方は併設できない)
  • ●マンションで選ぶときの考え方

管理組合で充電設備の導入を検討していると、施工会社から「コンセント型」「ケーブル付」の両方を提案され、どちらが自分たちのマンションに合うのか判断に迷う場面が多いのではないでしょうか。見た目が似ていても、使い方・出力・補助の上限はそれぞれ異なります。

本記事では、国(次世代自動車振興センター)と東京都の公的な資料をもとに、2つの違いを整理します。最後まで読めば、使う人数・電気の容量・課金方法をふまえて、コンセント型とケーブル付のどちらで見積もりを取るべきかの見当がつくはずです。

マンションのEV充電設備は、補助金を使うと自己負担を大きく抑えられることがあります。対象になるか、無料で相談できます。

充電用コンセントと普通充電器は何が違う?

一番の違いは、充電ケーブルを「車側が持つか、機器側に付いているか」です。国の交付規程では、マンションに付ける充電設備を3つに分けて定義しています。まずこの区別を押さえておくと、補助金や費用の話が理解しやすくなります。

コンセントと普通充電器のちがい。充電用コンセント:ケーブルは車のもの、最大3.2kW、補助の上限は低め。普通充電器:ケーブル付き、3〜6kWなど、補助の上限は高め。国の補助では同時に付けられない(併設不可)
コンセントと普通充電器のちがい

国の定義は3種類

国の交付規程では、充電設備を「普通充電設備」「充電用コンセント」「充電用コンセントスタンド」の3つに定義しています。見た目ではなく、ケーブルの有無と筐体の形で分かれます。

機器定義(交付規程の文言)
普通充電設備「漏電遮断機能及びコントロールパイロット機能を有する、一基当たりの出力が10kW以下のもので、充電コネクター、ケーブルその他の装備一式を備えたもの」(=ケーブル付)
充電用コンセント「電気自動車等に附属する充電ケーブルを接続する200V対応の電気自動車等専用のプラグの差込口」
充電用コンセントスタンド「前号の充電用コンセントを装備する盤状又は筒状の筐体」

出典:クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てん設備等導入促進補助金交付規程(充電設備)第3条(2026年10月確認)

ケーブルを車が持つか、機器が持つか

充電用コンセントは、車両に付属(もしくはオプション)の充電ケーブルを差して使う差込口です。一方、普通充電器(ケーブル付)は、機器側にケーブルとコネクターが最初から付いています。

業界団体のマニュアルでは、普通充電器を「コンセントタイプ」と「ケーブル付普通充電器」に大別しています。つまり広い意味での「普通充電」の中に、コンセント型も含まれる整理です。本記事では補助の区分に合わせて、ケーブルの差込口を「充電用コンセント」、ケーブル一体型を「普通充電器」と呼び分けます。

出典:既存の分譲マンションへのEV・PHEV充電設備導入マニュアル(マンション計画修繕施工協会)(2026年10月確認)

どちらも壁掛け型とスタンド型がある

充電用コンセントも普通充電器も、壁掛け(壁付け)型とスタンド型の両方があります。設置形態で機器が決まるわけではありません。

マニュアルによると、設置場所に外壁や柱があれば、壁掛け型のほうが一般的に設置費用を抑えられます。壁掛け型でもポールやスタンドを使えば、スタンド型と同じように使えます。導入の全体像はマンションのEV充電器導入ガイドでまとめています。

管理組合の理事

コンセントって、ただの差込口ですよね。普通充電器とそんなに違うものなんですか?

EV充電アドバイザー

見た目は地味ですが、ケーブルを誰が用意するかが大きな違いです。コンセントは住民が車のケーブルを使い、普通充電器は機器のケーブルを使います。補助の上限も変わってきます。

この記事の目次

出力と使い勝手の違い

出力はコンセントが最大3.2kW、ケーブル付が3〜6kWなどと幅があります。ただし車両側が高出力に対応していなければ、機器が6kWでも3kWでしか充電できません。使う人数や課金の有無も、選び方に関わります。

出力は3.2kWか3〜6kWか

充電用コンセントの最大出力は、日本の規格で3.2kW(連続負荷)です。ケーブル付普通充電器は、令和3年度補正の国の補助対象が3kW〜6kWで、さらに高出力の機種も市販されています。

ただし、ケーブル付で6kWの機器を付けても、車両側が6kWに対応していなければ3kWでの充電になります。3kWと6kWの選び方もあわせてご覧ください。

車のケーブルか、機器のケーブルか

充電用コンセントは、車に付属(またはオプション)のケーブルを使って充電します。普通充電器は、機器側のケーブルをそのまま車につないで充電します。

なお、普通充電は基本的に単相200Vです。100Vでも充電できる車種はありますが、すべての車種が対応しているわけではないため、マンションには推奨されていません。

共用で使うなら台数と口数を考える

複数の住民が共用で使う場合、業界団体のマニュアルでは1充電設備に対して2人以下を目安としています。

マニュアルでは、1つの充電スタンドに複数のコンセントや接続ケーブルがある機器を選ぶことや、複数台の充電器を設置することが適しているとされています。認証や課金機能を備えた機種、合計電力を抑える機能を持つ機種も市販されています。

出典:既存の分譲マンションへのEV・PHEV充電設備導入マニュアル(マンション計画修繕施工協会)2章・4章(2026年10月確認)

補助の上限と要件の違い

補助金は、国・東京都とも充電用コンセントと普通充電器の両方が対象です。ただし工事費の上限は機器の区分で異なり、国の補助では両方を同じ申請で併設できません。上限は「受け取れる額」ではない点にも注意が必要です。

金額の上限は区分で違う

工事費の上限は、国の表では「充電用コンセント(平置き)」だけが低く設定されています。コンセントスタンドは普通充電器と同じ区分です。「コンセント型」をひとまとめにしない点が重要です。

対象充電用コンセント(スタンド)普通充電設備(ケーブル付)
国:購入費の上限(1基)コンセント7万円/スタンド11万円35万円
国:工事費の上限(受変電設備なし・1基)平置き95万円/機械式135万円(スタンドは135万円)平置き・機械式とも135万円
国:マンション等簡易申請の工事費上限65万円(スタンドは95万円)95万円
東京都(居住者用):工事費の上限コンセント1基目95万円・2基目以降48万円(スタンドは普通充電設備と同じ)1基目135万円・2基目以降68万円
東京都:機械式駐車場の工事費上限1基目171万円・2基目以降86万円1基目171万円・2基目以降86万円

国の分は令和7年度補正の数字で、第1期・第2期とも受付は終了しています。次の募集は公式の発表を待つ状況です。東京都の分は令和8年度の数字で、受付は令和9年3月31日17時までですが、予算に達した日に受付が止まります。

上限はあくまで「上限」であり、受け取れる額ではありません。国は型式ごとの上限と工事項目ごとの審査で、東京都は上限と実際の経費の低いほうから国の補助を差し引いて額が決まります。足し算で「◯基なら◯万円」とは計算できません。

出典:交付規程 別表2(次世代自動車振興センター)/クール・ネット東京 居住者用 手引き(第4版)/クール・ネット東京 居住者用 事業ページ(2026年10月確認)

国の要件(通信規格と併設不可)

国の補助では、マンションに設置する機器はOCPP1.6以降またはECHONET Liteに準拠した設備が対象です。充電用コンセント・コンセントスタンドは、OCPP1.6以降に準拠した制御装置を合わせて設置すれば準拠とみなされます。

重要なのは、普通充電設備と充電用コンセント(スタンド)の併設は不可という点です。同じ申請で両方を付けることはできません。

複数基の申請では、通信規格への適用方法をすべて同じにそろえる必要があります。詳しい制度はEV充電器の補助金で解説しています。

出典:申請の手引き 10-1・10-9(次世代自動車振興センター)/交付規程 3-1(2026年10月確認)

東京都の「通信機能付き」の加算

東京都の助成では、オープンプロトコル(OCPP、ECHONETなど)で遠隔の制御・監視と課金を行う「通信機能付き充電設備」に、工事費の上限へ1基あたり3万円が加算されます。

充電用コンセント等と、センターが認める制御装置を同時に設置する場合も、この通信機能付きに該当します。つまりコンセント型でも、制御装置を組み合わせれば加算の対象になります。東京都の制度はクール・ネット東京の補助金、補助金の入口は東京都の補助金ページにまとめています。

出典:クール・ネット東京 居住者用 手引き(第4版)2.3・2.4/クール・ネット東京 居住者用 事業ページ(2026年10月確認)

費用の例(試算と1つの事例)

ここでは公的な資料にある試算と事例を、条件つきで紹介します。相場や平均ではなく、あくまで条件を決めた1つの例です。

業界団体の試算(2022年・補助前)

業界団体のマニュアルには、共用分電盤から配線約30mを露出で引き、12kW程度の容量を確保できるケースの試算があります。3kWコンセント型4台で約121万円、6kWケーブル付2台で約193万円です(いずれも税込・補助前)。

この2つは台数も出力も違う比較です。1台あたりに割り算して「コンセントのほうが安い」とは言えません。

機器費の内訳は、鍵付コンセント型が1台0.7万円、ケーブル型(6kW)が1台16万円とされています。これは2022年8月時点の、一定の条件に基づく概算見積もりで、同様の工事内容でも費用が大きく変動する可能性があります。

出典:EV・PHEV充電設備導入マニュアル 表5-1(マンション計画修繕施工協会)2022年8月(2026年10月確認)

東京都ポータルの事例

東京都のポータルには、平置きの駐車場に充電用コンセント9基を設置した事例があります。充電器9万円と設置工事費397万円を合わせた406万円(税抜)のうち、都の補助が347.5万円(約86%)だった例です。

これは1つのマンションの例で、2025年度の制度によるものです。すべてのマンションで9割近く補助されると一般化はできません。

令和8年度に同じ額が出るとも限りません。費用はEV充電器の設置費用、工事の内容はEV充電工事をご覧ください。

出典:東京都マンションEV充電器情報ポータル Q&A(2026年10月確認)

管理組合の理事

うちのマンションだと、コンセントと充電器でいくら違うのか気になります。

EV充電アドバイザー

マニュアルの試算も、同様の工事内容であっても費用が大きく変動する可能性がある、としています。両方のタイプで見積もりを取って比べてみてください。

EV充電設備の導入を、無料で相談・比較

  • 補助金の対象になるか確認できる
  • 複数社の提案・見積もりを比べられる
  • 理事会・総会向けの資料づくりも相談できる

入力は3分ほど。検討の初期段階でも大丈夫です。

マンションではどう選ぶ?

「どちらが正解」という答えはありません。使う人数・電気の容量・課金の方法・駐車場の形をもとに考えます。下の表を目安に考えてみてください。

向いている条件の例考え方
利用者が少なく、1日の走行距離も短い充電用コンセント(最大3.2kW)も選択肢。平置きのコンセントは工事費の補助の上限が低め
電気の容量に余裕がなく、台数を抑えたい合計電力を抑える機能を持つ機種も市販されている。出力の考え方は3kWと6kWの選び方を参照
利用料をきちんと課金したい通信・制御装置の要否を確認。国はOCPP準拠の制御装置を合わせれば要件を満たし、都は通信機能付きとして加算の対象
機械式駐車場に付けたい都の工事費の上限は、コンセント・普通充電器とも1基目171万円。機械式駐車場への設置を確認

両方で見積もりを取って比べる

コンセント型とケーブル付のどちらが自分たちに合うかは、建物の条件で変わります。出力・台数・課金の希望を整理し、両方のタイプで見積もりを取って比べるのが確実です。

導入の見積もりは無料で相談できます。

決める場を整える

どの機器をいくらで入れるかが決まったら、管理組合での合意形成の準備に進みます。

決議の進め方は総会決議・理事会合意で整理しています。自分のマンションにどちらが合うか知りたい方は、かんたん診断もご利用いただけます。

⚠️ 選ぶときの注意点
  • 「コンセント型」とひとまとめにしない。コンセントスタンドは補助の区分が普通充電器と同じ
  • 国の補助では、普通充電器とコンセントを同じ申請で併設できない
  • 補助の上限は「受け取れる額」ではない。実際の額は経費と国の補助額で決まる

よくある質問

Q. コンセントでもEVは充電できる?
A. 充電用コンセントは、車に付属(またはオプション)の充電ケーブルを接続して充電する200V対応の差込口です。これで充電できます。日本の規格では最大3.2kWです。
Q. コンセントと普通充電器を両方付けられる?
A. 国の補助(令和7年度補正)では、普通充電設備と充電用コンセント(スタンド)を同じ申請で併設することはできません。複数基を申請する場合は、通信規格への適用方法もすべて同じにそろえる必要があります。
Q. コンセントでも補助金は出る?
A. 国・東京都とも、充電用コンセントも対象です。ただし平置きの場合、工事費の上限は普通充電器より低く設定されています。なおコンセントスタンドは、国・都とも普通充電器と同じ区分で扱われます。
Q. 課金はできる?
A. 国の補助では、充電用コンセントもOCPP1.6以降に準拠した制御装置を合わせて設置すれば準拠とみなされます。東京都でも、制御装置を同時に設置すれば通信機能付きとして工事費の上限が1基あたり3万円加算されます。住民から要望が出たときの進め方は住民からEV充電の要望が出たらで整理しています。

EV充電設備の導入を、無料で相談・比較

  • 補助金の対象になるか確認できる
  • 複数社の提案・見積もりを比べられる
  • 理事会・総会向けの資料づくりも相談できる

入力は3分ほど。検討の初期段階でも大丈夫です。

まとめ

充電用コンセントは、車のケーブルを差して使う200Vの差込口で、最大3.2kW。普通充電器は、ケーブルとコネクターが付いた機器で、3〜6kWなどがあります。壁掛け型・スタンド型はどちらにもあります。

補助の工事費の上限は、平置きのコンセントが低め(東京都・令和8年度で1基目95万円)、普通充電器が高め(同135万円)です。コンセントスタンドは普通充電器と同じ区分になる点に注意が必要です。上限は受け取れる額ではなく、国の補助では両方の併設もできません。

どちらが合うかは、使う人数・電気の容量・課金方法・駐車場の形で変わります。弊社「EV充電のこれから相談室」では、国と東京都の補助金を一次情報で確認しながら、コンセント型とケーブル付の両方で複数社の見積もりを取り、比べる支援をしています。まずは条件を整理して、両方の見積もりで比べてみてください。

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この記事を書いた人

集合住宅のEV充電設備について、国・自治体の公式資料にあたりながら、管理組合・管理会社の方が判断しやすい形で解説しています。補助金は年度ごとに変わるため、申請前に必ず公式の最新情報をご確認ください。

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